2020年公開の映画。脚本・監督ともに内田英治さんがされている。草彅剛さんがトランスジェンダー役を務め現代の息苦しさなどを描いている。
当記事では、本作の簡単な概要と私の感想を書いています。
あらすじ※ネタバレ注意※
女性として生きるトランスジェンダーの凪沙が親から育児放棄されていた少女・一果を引き取るところからストーリーがはじまる。
最初は分かり合うことのできない二人だったが、様々な出来事でお互いかけがえのない存在になっていく。
しかし、二人の別れの日は突然来てしまう。一果は母のもとで生活をし、凪沙はタイで性別適合手術を受けることを決断する。
タイで手術後、凪沙は一果を迎えに行くが、一果は地元に残り凪沙は諦めて東京に帰ってしまった。
数年後、中学を卒業後に一果が凪沙のもとを訪れるとそこには、悲しい現実が待ち受けていた。
主な登場人物
凪沙(草彅 剛)
主人公のトランスジェンダー女性。体と性の自認に悩み、女性として生きる覚悟を持つが、親にはまだカミングアウトはしていない。
演じたのは、元SMAPのメンバー草彅 剛さん。俳優としても高く評価されている人物で数々のドラマや映画に出演されています。
桜田 一果(服部 樹咲)
親に育児放棄をされて、凪沙に引き取られた中学生の女の子。バレエが大好きで才能もあり、教室の先生も一果の才能に一目置く。
演じたのは、服部 樹咲さん。作中のバレエを見て素晴らしいと思っていたら、実際にバレエで輝かしい成績をおさめておられる人物でした。本作で注目された新人俳優さんで、今後の作品も楽しみです。
桜田 早織(水川 あさみ)
一果の実の母親で凪沙とは従妹の関係にある。夜の店で働き、女手一つで一果を育てようと奮闘するが、育児放棄していることを通報されて一果と離れ離れにされてしまう。
演じたのは、女優の水川 あさみさん。多くのドラマや映画に出演されてていて代表作をあげるときりがありません。記憶に新しい作品では「ブラッシュアップライフ」、「朝ドラ ブギウギ」に出演されていました。
片平 実花(真飛 聖)
一果がバレエをするきっかけを作ってくれた人物であり、バレエの先生。一果の才能に惚れて付きっ切りで指導をする。
演じたのは、元宝塚劇団花組トップスターの女優の真飛 聖さん。現在では、ドラマや、映画、舞台で活躍中です。本作でも脇役ながら存在感があります。
桑田 りん(上野 鈴華)
一果の同級生でバレエのライバル。親の押し付けでバレエを習いはじめたが、真剣に取り組んでおり、一果の才能に嫉妬する。途中で足のケガをしてしまいバレエは断念。しだいに塞ぎこんでいき、大好きなバレエと共に自ら命を絶つ。
演じたのは、女優の上野鈴華さん。本作では裕福な家庭に育ちながら闇を抱えた少女役を見事に演じておられます。最後のバレエは美しさと、切なさと、怖さを兼ね備えていました。
見どころ
服部さんや上野さんのバレエをする姿は美しくて心が奪われました。音楽や撮影の仕方でも変わってくるのかもしれないが、素人ながらに表現力が素晴らしいと思いました。
本作品は、世の中の現状を訴えているように思う。世の中は平等を訴えるけど、平等ではない。そんな少し考えさせられるところも魅力かと思います。
感想
思った以上に考えさせられる映画でした。
性的少数者の理解が広まってきたとはいえ、これが日本の現状だと思います。LGBTQ+が世の中に周知してきてるとは言え、凪沙が行った会社の面接官のように「ファッション」みたいなものだと思う人もいれば、凪沙の母親のように「病気」だと言う人もいる・・・。理解をするのは難しいのかもしれないけど、いつか「カミングアウト」という言葉さえ消えて普通に誰を好きになっても堂々と歩ける社会になってほしいと切に願います。